前回まで。
半脆さから見る生き方について。
身銭を切る英雄とエージェンシー問題
- 倫理と法律の溝によって脆さや反脆さがある人から別の人に移転する
- 誰かが利益だけをむさぼり、誰かに被害を押し付ける
- 予測をするだけして利益を得て、その予測によって被害が出ようがその人には何のお咎めもない
- 現代では英雄的行為が減少している
- 他人のために負のリスクを負い、その人に対して敬意と権力を与える
- 伝統社会では他人のためにどれだけダウンサイドを背負う覚悟があるかで評価や価値が変わる
- 古代では肉体的な力が重視されており、肉体的な犠牲が英雄的であった
- 現代では思想や自分の価値観に殉じるのが英雄的となっている
半人前の人間とは意見がない人間ではなく、自分の意見を貫くためにリスクを冒さない人間だ。
最後にまとめます。
まとめ
- 反脆弱性とは衝撃がむしろメリットになるようなものである
- 脆弱なものはランダム性、不確実性によって被害を受ける
- ランダム性や不確実性を無くそうとすることは逆効果を生む
- 反脆いものは正の対称性を持つ(ダウンサイドよりもアップサイドが大きい)
- 反脆さを実現する「バーベル戦略」
- ある部分では安全策を取り、別の部分では小さなリスクをたくさん取る
- 小さな失敗を許容しつつ大きなメリットを目指す
- オプションはダウンサイドよりもアップサイドを増やし、反脆さを促進する
- 権利はあるが義務はない選択肢が多いほど強い
- グリーン材の誤謬:いろいろな知識を持っている人ほど初歩的な物事を見逃す
- グリーン材がどのようなものか知らずとも知らずとも売ることはできる
- 実践家は書かない。ただ実践する
- ないことの証拠と証拠がないことは違う
- システムが崩壊したことがないことは、システムが崩壊しない証拠ではない
- 論理的でないことが不合理なわけではない
- 反証は証明よりも厳密である
- リンディ効果:壊れるものは時間の経過によって平均余命が短くなる、壊れないものは時間の経過によって平均余命が長くなることもある
- これまで長生きしてきたものが今度も残る可能性が高い
- 新しいものよりも古いものを参考にした方が良い
- 理論は変わっていくが経験は変わらない
体系だった知識や普遍的な知識などよりも事実の羅列、つまり歴史記述のようにあったことを記載するということを重視している本の書き方なので、他の本と違ってじっくり読む必要がある本かなと思います。
この本の革新的な命題とは全てのものは変動性によって得もしくは損をするというものです。
これを500ページにもわたり書いてあります。
この本を読んでいて僕自身が考えたい質問が出てきました。
- 自分は何の実践者として生きていきたいのだろうか?
実践するということはリスクを負うということ。
リスクのない人生は本当の意味で生きてはいない。
またじっくり再読したい本ですねぇ。
コメント
コメントを投稿