【反脆弱性⑧】非線形を理解し脆弱性を見抜く

前回まで。

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今回は非線形について。


数年間の休みをとり書いた著作


脆さを見分けるための法則

  • 脆いものについて言えば、衝撃の強さが増すに従って、被害の増す度合いは大きくなっていく(一定限度まで)
    • 極端な事象における害が大きいということ
    • 非線形なので衝撃が2倍になったら被害は2倍では済まない
  • 反脆いものについて言えば、衝撃の強さが増すに従って、利益の増す(害の減る)度合いは大きくなっていく(一定限度まで)

2種類の非線形

  • 凹凸な非線形
    • 正の凸効果と負の凸効果と呼ぶ
  • 一定の変化に対して、ダウンサイドよりもアップサイドの方が多い場合、曲線を描くと凸になる
  • 凸なものは変動から利益を得る
  • 凹なものは変動から被害を被る


生産性も非線形なのかも。
同じ量を詰め込んだところで生産性は上がらない。
むしろ余裕がある方が生産性が上がる。
時間を2倍に増やしたところで、生産性が2倍になるわけではない。
時間ではなく精神的エネルギーが関わるから。
計画も効率よく詰め込みすぎると冗長性がなくなり、小さな変動が大きな遅れにつながる。


スクイーズ

  • どんな代償を払ってでも、あることを今すぐにする以外に選択肢がない状況
  • スクイーズは規模と共に悪化する
    • 非線形的に害は大きくなる
  • 会社において利益が増えたので、従業員を増やしたとすると、利益が少なくなった際に人件費で圧迫される
    • しかし払わなければいけない
  • 企業の合併は非効率的
    • 統計を見ても規模の拡大による利益はそこまで大きくない
  • 大きくなるほど衝撃に脆くなる
    • 猫は自分の体長の何倍かの高さから落ちても無傷だが、人間はそうはいかない

脆弱性(反脆弱性)検出ヒューリスティック

  • 計算ミスや予測ミスが全体的に利得よりも損失をもたらすかどうかを調べて、その被害がどれくらい加速するのか
  • 被害の加速度を調べ、加速が早くなるということは脆いということ

次回は何かをしないという否定が何かをすることよりも強力であるという話について。

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