前回まで。
今回からはランダム性や不確実性を抑えると何が起きるのかと言うお話。
安定性という脆さ
- 不安定さを持つ職人的な仕事は反脆さを持つ
- タクシー運転手、売春婦、大工、配管工、仕立屋、歯医者など
- 雇われはリストラにあって0にあうというブラックスワン的なリスクがある(そして目に見えない)
- 自営業は日々の変動のリスクはあるがこの変動は適応と変化を促す
- これは他の面でも当てはまること
- ランダム性を無くそうとすれば、ブラックスワンに脆くなる
- 小さな間違いを避けようとするほど、大きな間違いに弱くなる
サラリーマンの方がより大きいリスクがあるのではないかと。
日本だとそう簡単にリストラはされないような気はしますが。
スイスという国
- スイスは地球上で最も反脆い国
- 他の国で起きる危機を糧にしている
- 地球上で最も経済的に頑健
- 預金口座はスイスが最も良い
- スイスには政府がない
- 地方自治体の集まり
- 中央銀行は小さいが通貨は世界一優秀
- 教育水準は低め
小さなものはいろいろな点で美しい。小さなものは大きなものよりも反脆い。実際、大きなものは必ず崩壊する。これは残念ながら、大企業、超大型哺乳動物、巨大政権にも当てはまる普遍的な数学的性質らしい。
この本で一貫して伝えられることですが、小さいものが良いということです。
変化なくして安定無し
- 小さな山火事が起きることで燃えやすい物質が蓄積されるのを防ぐ
- 大きな山火事の予防になる
- 市場が安定しすぎるとちょっとした混乱が大きな下落につながる
- これまで安定してきていたので小さい変化が大きいものに見える
- 冶金におけるやきなまし
- ランダム性を加えることで安定させる
- 加熱によって原子がランダムに動き回り、冷却されると元よりも優れた原子配列になる
- 政治にもランダム性が役立つ
- ランダムに選ばれた政治家を加えると議会制度の機能が改善する
- 古代の人々はくじで選んでいた(腐敗を防ぐために)
変動性を人工的に抑えることの問題点は、システムが極端に脆くなることだけではない。同時にリスクが見えなくなることだ。
世界の変動性やストレスを抑え込もうとすることをこの本では現代性と表現している。
続きはまた次回!
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