前回まで。
今回で最後です。
僕たちの感じている時間は一つの捉え方に過ぎないというお話。
現代的な時間の捉え方が焦りを引き起こす
- 過去から未来へ常に一定のペースで時間が流れ、過去には2度と戻れないという直線的な時間の捉え方はプレッシャーを生む
- 時間の感覚は主観的なものなので、異なる捉え方が存在する
- サン人は時間は一定の周期で繰り返されるものとして捉えている
- 子供が生まれた時も、子供が生まれる現象が繰り返されたと認識する
- 新しいことが起きたのではなく過去の再演であると認識している
- 歴史的に見ても時間を循環と捉えている例は多い
- 循環的な時間の捉え方では未来は確定している
- XをやればYが起きるという単純なロジックで捉えている
- 時間ではなくイベントを中心に行動が決まる
- 現代では未来は無数に分かれており、これが不安の根源となっている
- 未来の可能性全てに対処していたら、終わりはないし時間が足りないという感覚になる
鈴木さんの別の著作の最高の体調にも通じるお話ですね。
不確定である未来へのぼんやりとした不安がメンタルを害するのだと。
現代的な時間感覚に苦しまないようにするには
- 退屈を突き詰めると脳がアップレギュレートされる
- つまらなそうな行為を徹底的に行う
- 一つの絵画を3時間見続ける
- 人間は印象的な想起の回数を元に過去を見積もる
- つまらない時間は長く感じて、楽しい時間は短く感じる
- しかし、振り返るとつまらない時間は短く感じ、楽しい時間は長く感じる
- これは楽しいことほど印象的な記憶が多く残りこのおかげで長いと判断される
- いつも同じようなことをしていると、印象的な記憶が残らないのですぐ過ぎ去ったと感じる
- 退屈に慣れていくと、細かい刺激にも脳が意識を向け始める
- いつもは見過ごしていたようなものに意識が向けられ、印象的な想起が溜まっていく
- 結果として有意義な時間として残る
インプットする情報を少なくすることで、より深く情報を取り込み処理することができると。
これはクリエイティビティにも繋がりそうですね。
超没入という本でもやることを少なくした方がいいと書いていましたが、深く考える必要があるものなら必須なんだろうなぁ。
ほどほどで満足すること
- 人間の予測は過去からの推定なのでままエラーが起きる
- しかし、都度都度吟味していたら処理能力がいくら合っても足りない
- だから大体合っていればよしとしたほうが楽
- 場面によって自分の時間感覚は異なる
- 事務作業と創造的な作業で予期が違ったりなど
- 自分の時間感覚(予期と想起)を客観視してみて、それに合った技法をつど適用していくと良い
- 完璧を目指すのはやめて、ほどほど機能していることを目指そう
- それが心の余裕につながり、自分の時間を豊かにする
トップクラスでためになった本でした。
あとは実践あるのみ。
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