前回まで。
前回は時間そのものを管理しようとするのは無理があるという話でしたが、なぜ時間を管理することが無理ゲーなのかについてみていきましょう!
万人に聞く時間術は存在しない
- 様々なテクニックと仕事の成果には弱い相関しか見られない
- 2021年のメタ分析
- 時間術を3つに分類
- ①構造化:何をいつやるかを明確にするもの、スケジューリング、TODO、リマインダーなど
- ②保護化:外部の影響を防ぐもの、スマホの制限など
- ③適応化:想定外の対応を考えるもの、急な会議が来た場合に〜する、バッファを持つなど
- 結論、時間術で成果が上がる可能性はあるが影響は非常に小さい
- 勉強に対する影響はさらに低い
- ただし人生の満足度には大きく影響していた
- 他の調査でも生産性と時間術の相関は小さいことがわかっており、幸福度の改善の方が影響度が大きい
時間術を使うことで人生へのコントロール感が高まり幸福度が上がる。が生産性はそこまで変わらないという訳ですね。
面白い。
タイパにこだわるほど効率が下がる
①効率の追求が判断力を下げる
- タスクを詰め込みすぎると脳の処理能力が下がる(徹夜した後くらいIQが下がる)
- マイクロソフトの調査
- 効率化を重視した労働者は手軽なタスク(メールの受信箱を空にするなど)に多くの時間を費やすようになり生産性が高いと感じるようになった
- オハイオ州立大学の実験
- 効率を求めるように指示されたグループはタスクの処理量が22%少なかった
- 作業することが目的になり何のためにやるかの視点がなくなってしまうのでは?(個人的な見解)
②創造性が低下する
- ハーバードの調査
- 仕事中に時間を強くした日は創造的な思考の出現が45%低くなり、プロジェクトの成果も落ちた
- 創造性の低下は2〜3日続いたが従業員は気づかなかった
効率を突き詰めるほど生産性は下がると。
SLOWという本と同じ問題意識ですねぇ。
時間術の効果の個人差
- 時間術が効く人効かない人の違いは何?
- 例えばアイゼンハワーマトリクス
- タスクを緊急度と重要度で分類しどちらも高いものから手をつける
- 単純性緊急効果:期限が近いものを重要だと思い込む
- 特段重要でなく他に重要な事柄があっても期限の短さに影響されちゃう
- この手法が効果を発揮するには単純性緊急効果に陥らない必要がある
- 惑わされない人→価値観が明確だった人
- そもそもの価値基準がないと、重要度が曖昧なものになってしまう
- 価値観の確認によりモチベが上がり生産性が上がる
- そもそも大半の時間術は時間の管理をしていない
- 時間の使い方が上手くなるよりも、モチベーション、不安の解消のおかげで生産性が上がっている
誰もが24時間に縛られているのだから、うまく使うにしても限界がある。
しかも数ある時間術は個人差が大きいのだと。
まとめると
既存の時間術は個人差が大きく自分に合うかはわからないし、時間効率を気にするほど効率は下がるし、時間術と言いつつ他のものを管理しているものが多いと。
時間術で本当に管理するべきものは何か?
次回はこの問いについて、時間というものを掘り下げて考え、個人に合わせた時間術を見つけるにはどうしたら良いのかをみていきましょう!
参考:
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