【合理的思考⑦】人が確率の解釈を間違えてしまう理由

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人生の偶然性と知識の不確実性

  • ランダムには二つの意味が含まれる
    • データの並びにパターンがない
    • プロセスが予測不可能
  • 非ランダムなパターンを非ランダムなプロセスと勘違いするのは人間の愚かさの最たるもの
  • 確率の意味は複数ある
    • 古典的解釈:机上でできる計算
    • 傾向性解釈:人が思う確率
    • 主観解釈:主観的な推定で考える
    • 証拠解釈:提示された証拠を元に確率を見る
    • 頻度解釈:試行して確率を求める

通常はどの確率の解釈でも同じ結論になる

  • コイントス
    • 可能性は表か裏かの2分の1(解釈1)
    • 形が対象だから表裏の出る確率は同じはず(解釈2)
    • 自分の直感はどちらの面も同じ確率のはず(解釈3)
    • 表と裏の主張はどちらも強く(解釈4)
    • 実際にやってみても同じ確率(解釈5)
  • しかし、時には解釈がずれて答えに差が出る
    • これが混乱のもとに

確率の解釈の間違いの最大の原因

  • 単一事例の確率に適用すること
    • あなたが50歳以上である確率は?
      • 50歳以上か以下かの2択であり確率ではないのでは?
    • 主観解釈であれば自分の無知の度合いを数字で表せられる
  • 表現を単一事象の信頼性から一連の事象の頻度に変えると直感も変わる
    • 被害者の衣服から検出されたDNAと無実の人のDNAが一致する確率は10万分の1です
    • この都市の無実の人々10万人当たりに一人ずつ、DNAが一致する人がいることになります
    • 前者は主観的な確率の見積のような印象を与え、後者は誰かにぬれぎぬが着させられるイメージができる

利用可能性ヒューリスティック

  • 人はその事例が頭に浮かびやすいかどうかで確率を判断している
    • 実際の実例数を集計したりはしない
    • 思い出しやすいものほど多く出会っているから確率も高いだろう
    • しかし、印象の強さと頻度があっていない場合は間違ってしまう
  • メディアはこのバイアスを強めるのに一役買っている
    • 報道されていること=多く発生していることではない

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