前回まで。
前回は運動がいかに体に必要かを見ていきました。
今回は人と共生している微生物についてのお話です。
人は微生物と共生している
- 肌、口腔、腸などに住み着いている
- 常在菌がいることで病原体が定着しづらくなる
- 微生物によるコーティングが、抗体だけに頼らない防御として働いている
- 常在菌の働き
- 物理的にスペースを埋めて侵入させない
- 栄養を奪い合って増殖を止める
- 抗菌物質、代謝産物で相手を止める
- 宿主免疫の調整
- 腸内細菌は一番数が多い
免疫が自分を攻撃するのを防ぐには
- 免疫が働きすぎると体内に炎症を発生させてしまう
- 免疫の働き過ぎを抑える細胞「制御性T細胞」
- これが少ないとちょっとした刺激に免疫が働いて無駄に炎症を起こす
- 腸内で発酵してできる短鎖脂肪酸は制御性T細胞を増やすことがわかっている
- つまり、食物繊維を取ることは免疫の暴走を抑えることにつながる
- 無駄な炎症が抑えられ、体が傷つかずに済む
免疫が強すぎると害がありますが、食物繊維はそれすらも防ぐ働きを持っているのですね。
腸の慢性的な不調は生産性を大きく損ねる
- 代表的なのは炎症性腸疾患、過敏性腸症候群
- これらは生産性の低下、欠勤、日常活動の障害につながることがわかっている
- 腸の不調は体の不調につながり、睡眠の質の低下を引き起こし、全身に波及していく
- 慢性疲労症候群の人の腸内では酪酸を作る菌が減っているだけでなく、産生する力そのものが低下していた
- この力が低下してるほど、疲労の度合いが強くなっていくことも判明している
皮膚のマイクロバイオーム
- 皮膚を清潔にしすぎることは自然の防御機構を削ることになる
- 皮膚の構造
- 外側の角層:死んだ細胞と細胞間脂質によって形成される
- 水分が抜けるのを防ぎ、外部からの侵入を防ぐ
- 角層の外側は皮脂によって乾燥や摩擦を防いでいる
- 皮脂やその境目に常在菌は存在している
- 皮脂をエネルギー源にしている
- 洗いすぎるとどうなるか
- 皮脂を取りすぎると、角層の細胞間脂質の状態が乱れ水分が逃げるだけでなく外からの侵入も容易となる
- その結果炎症が起きやすくなる
- 乾燥肌は単に水分が少ないだけでなくバリア機構が崩れた状態である
弱酸性であれ
- 弱酸性の環境は常在菌にとって居心地が良いだけでなく、外敵にとっては生きにくい条件となっている
- 常在菌の一部にはバリア機能を支えるものもいる
- セラミドの生成を助け、皮膚の水分保持を助ける機能を持つ菌もいる
皮膚の状態はアレルギー反応を左右する
- 食べ物自体だけではなく、皮膚バリアが壊れているかどうかがアレルギー反応を変える
- 二重抗原暴露仮説
- かぶれ予防に漆を少量飲んだりする民間療法もある
- 医学的には推奨されない
- 皮膚はバリアだけでなくアレルギー反応を示すかどうかも決めている
体は全部つながってるみたいで面白いですね。
口のマイクロバイオーム
- 口の状態は全身に影響する
- 歯周病は心筋梗塞、糖代謝異常、認知症のリスクにつながっている
- 歯周病を治療することで炎症の改善、血管の働きが改善することがわかっている
- 歯周病は歯茎の炎症
- 炎症が起きていると、細菌の成分や炎症物質が血流に入り込み全身に広がっていく
- 心血管病のリスク、全身の炎症の底上げにつながる
少し長くなったので、具体的にマイクロバイオームを整える方法については次回に続きます。

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