前回まで。
前回は数値化やゲーミフィケーションの弊害についてみていきました。
今回は人が社会的地位を求めるよう進化してきた背景を見ていきましょう。
人は社会的地位に敏感
- 地位を表すものは日常で多々見られる
- SNSのフォロワー、VIP席などなど
- エア・レイジ事件
- 飛行機内で暴れる客が増える現象
- 機内にファーストクラスがある場合、エコノミーの客が切れる確率は4倍になっていた
- これは9時間半遅延した際と同じくらいの影響
- さらにエコノミーの客がファーストクラスを通って自分の席に行く場合は8倍になった
- 原住民の部族による習慣「ポトラッチ」
- 社会的階級が可視化される宴
- 階級によって食事内容、食器、場所などがすべて決定される
- 古代からステータスゲームは続いている
人はマウントが好きな生き物ですね。
欠乏脳は影響力を欲しがる
- 他者への影響力は生存・繁殖に直結する
- 人気があればいい伴侶をめとれる
- 人望があれば争いがあっても優位に立てる
- 社会的地位と幸福は相関し、健康上の問題も少ない傾向にある
- 人間は無意識に社会的地位を表すものに注意を向けている
- 身なりや提供されるものなど
- 社会的比較がストレスを引き起こしている可能性
- 大企業でそこそこの肩書よりも、中小企業で大きい肩書を持つ方が幸福
- 大企業でよりお金を稼げたとしても中小で高い地位にいる方が体と精神の健康に良いことが分かっている
- 誰と比較するかがとても重要
- 上位1%の富裕層でも同じく1%に入る人たちと比べれば、まだまだと思ったりみじめな感情を抱き不満を言っている
- 客観的な豊かさよりも、比べる相手によって主観的には貧しいと感じてしまう
他者との比較は本能に刻み込まれたプログラム。
暴力の根源にあるのは影響への渇望
- 犯罪に関する大規模な調査の結果
- 男性同士の殺人事件での一般的な原因が分かった
- 金、恋人、麻薬ではない
- 自分のステータスが脅かされたこと
- 例えばビリヤード台を譲るか、譲ることが自分のステータスを脅かすのかが争いの種になる
- 影響力を持つことはいいことでもある
- より社会に貢献出来たり、自分の生きがいにもつながる
- 一方で悪い方に向かうこともある
- 自信過剰、激しい争い、物質主義などなど
- 原始の環境で社会的地位の死は自分の死と直結していた
- 孤立したら生きていけない
- 現代でもこれはそう
- だからこそ今でも必死になっている
お金と一緒で影響力も使い方が大事なのですね。
影響力を持つこと自体が目的になったら不幸です。
ステータスのバベルの塔
- 古代の環境
- 人類は250万年の間小さな集団で暮らしてきた(多くても150人くらい)
- 見知らぬ人に会うことはほぼない
- 皆同じような仕事をしていた(狩り、子育て、生存)
- 他者に対する影響力は少なく与えられるものも少なかった
- 社会の梯子は踏み台程度
- 現代の環境
- 現代では人類が世界中でつながっている
- 個別だった社会の梯子は結びつき社会階層はバベルの塔のようになった
- インターネットを通して常に影響力を競い合える
- そしてすべては数値化されゲーム化され測定されている
- 誇りや恥の感じ方を根本から変えた
プライドを得るための行動
- プライドには2種類ある
- 明るいプライド
- 何か偉大なことを達成した際に感じる
- 誰に見られていなくても誇りを感じられる
- 創造性を高め、身体面・精神面にいい影響がある
- 暗いプライド
- 成果なしに表明されるプライド
- 他者からの賞賛が目的
- 自分自身を偽り宣伝する
- インターネット上でプライドを簡単に表明し他者からのフィードバックが得られる
- 暗いプライドの促進にもつながっているのでは
大規模な恥
- スマホの普及により巨大な規模で人に恥をかかせることが容易になっている
- そして人はネガティブなニュースに注意をひかれがち
- 社会的地位、承認に敏感になり始める若者は大きな苦痛になる可能性がある
- SNSでの注意を集めようとする行為は、うつ・不安症・自傷行為の増加につながっている
- 特にインスタグラムはルッキズムの温床になっている
- 若者はSNSの有害性を理解してなお使用していかなければ集団に置いて行かれる
- 他人の作ったゲームに踊らされるのではなく自分の目標と成果、指標を構築する必要がある
欲しいのは正しさか?幸福か?
- 著者が妻との口論を友人に愚痴った時に言われた言葉
- 「他者に影響を与えて勝ちたいのか、それとも今後の二人のためになることをしたいのか」
- 目の前の議論に勝つことは一時的に社会的地位が上がった気分にはなる
- 議論に勝つことが目的なのか、それとも過程なのか
- 正しいことが常に幸福なことでもない
- この問いは現状の自分を客観視し長期的な目線をくれる
他者に影響を与えたいというのは強烈な本能です。
しかし、本能に従うことが自分にとっていいことであるとは限りません。
本能に支配されそうになった時こそ気づき、一歩引いた判断ができるようになりたいです。
次回は現代の食事の問題についてみていきましょう。

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