意識して遅くやる ー欠乏の行動経済学⑤ー

前回まで。

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前回は貧困が人間のあらゆる面に影響するという話をしていました。(お金のストレス怖いなぁ)

今回は欠乏とうまく付き合うための方法についてみていきましょう。


報酬や罰は遠くなるほど意味をなさなくなる

  • 近い将来に締切がいくつもあるほうが欠乏が生まれ行動を起こさせる
  • 今の関心事に割り込むには近い締切とリマインドが必須

いつかやらなければいけないことは、決めてスケジュールに入れるというのが確実ですね。
欠乏状態の時はスケジュール入れるのも後回しにしがちですが。。

しないことをしなくてよい、したいことをするためには「心の自由」が必要。
自分のトンネルの中に入ってくるものを制限し、自分の意志で選ぶこと。
やることが多くなると嫌なのはこの心の自由が害されるからなのだろう(突発的な仕事、人間関係、予定が入るとか)。
やるべきことを制限することで本当にやりたいことへ脳の処理能力を生かすことができる。


スラックは軽視されすぎる

  • セント・ジョンズ地域医療センター
    • 手術室を一つ予定外の手術のために空けておくことで、結果こなせる手術数は増加した
    • 勤務時間は減り収益は増えた
    • これまでは予定外が来るたびに予定していた手術のリスケに追われていた
    • スラックを設けることで予定外に対処できるようになり結果的に生産的に
  • 効率を追い求めるとスラックがなくなり、予定外の事象に弱くなる
    • 予定外への対応力がないと、どんどん欠乏の罠にはまっていく
  • ぎちぎちにつまっているせいで、予定外の対応の際に再び整理が必要になり、これが非効率につながる
    • スラックがあれば予定は狂わない
    • 精神的にも楽

火消しの罠

  • 目の前の灯を消すことに忙殺され火の元を断つことができない
    • そのせいでやるべきことが後回しにされ更に日が増えるという悪循環に陥る
  • 組織内ではスラックを調整するような人が必要
    • 会社の忙しさの外にいて、根本的な対策を練られる人
  • 欠乏への対処として長時間労働が簡単に考えられる対策だがこれは愚かな選択
    • 長時間労働によって人の処理能力は落ちる
    • 結果、長時間働いても生産性は上がらない
    • ミスも増えて更に火が増える事態に

欠乏に抗う

  • 単純だが効果があるのはリマインダー
    • トンネリングの最中は自分では気づけない
    • やはりタイムボクシングは有能ってこと
      • 自分で自分をアシスタントしている感じだね(カレンダーがアシスタント代わり)
    • 何かしら自分の意識に上げるシステム的な方法が良いだろうと思う
  • やらなければいけないことは意識せずともできるようにする
    • 自動化
      • 自動引き落としや時短サービスなど
    • 習慣化もよいだろうと思う
  • 将来の欠乏を考慮する
    • 人は将来に対して楽観すぎるバイアスがある
    • ある程度スラックを入れた計画にする、トンネリングを考慮して今のうちに予定を入れ込むかタスクとしてリマインドを設定するなど
  • 処理能力を節約する
    • 人間の脳はすぐにガス欠を起こす
    • 分かりやすい形で情報をまとめる
    • シンプルな意思決定のルールを作る
      • 加工食品は食べないだけでカロリー計算はしないとか
  • スラックがある時ほど将来のスラックを確保する
    • 一度欠乏にはまると抜け出しにくい
    • スラックがあり油断してるときが危険
      • 夏休みの宿題みたいな
スラックを増やすのは意識してないとやっぱり難しい。。
見積を2倍にする、〇時以降は作業しないみたいなルールを決めるとよいだろうなぁ。




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