「時間やお金が足りない…」足りない感覚が人生を縛る ー欠乏の行動経済学①ー

最近は時間をうまく使う系の本を読み漁っている。

いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学


時間に限らず「何かが足りない」という感覚が人間にどういう影響を及ぼすのかということをまとめた本。


いつも時間に追われていて、思うように物事が片付けられない。それなりの収入はあるのに、借金を重ねてしまう。ダイエットをしようとたびたび取り組むが、長続きしない。これらの原因は必ずしもその人の資質ではなく、ある共通の要因があった。金銭や時間などの“欠乏”が人の処理能力や判断力に大きく影響していたのだ……


 早速面白かったポイントについて見ていこう!


欠乏状態にある人間の行動は似たり寄ったり

  • 欠乏を感じるのは自分が必要と思っているよりも少ない状態のとき
  • お金、時間など異なる欠乏であろうと最終的な欠乏状態の人間の行動は似通っている
  • 欠乏が人の行動に影響を及ぼすメカニズムとはどういったものなのか?
  • 人を飢餓状態にしたときにおこる影響を調べた研究
    • 強制的に摂取カロリーを制限させた
    • その結果起きた心理的変化
      • 食べ物に異常な執着を見せる用になった
      • 食べ物の本ばかり読む、映画でも食べ物のシーンのみに注意を向けるなど
  • 欠乏は人の心を占拠する
    • 満たされないニーズを満たすために脳が第一優先事項とする
    • 空腹であれば食べ物、仕事が終わらない人は仕事に心を奪われる、孤独な人は話し相手
  • 欠乏は無意識のレベルにまで作用する
    • 空腹な人間は反射的に食べ物に関連する情報に意識が奪われる
  • 貧しい子供は硬貨をより大きいものと錯誤する
    • 欠乏が情報を捻じ曲げる
緊急でやらなければいけない仕事が来た時などは、それ以外の事を考えられなくなりますが、これは欠乏が生まれているからなんですね。

孤独な人の方が感情に聡い

  • 主観的な時間の伸び
    • ごく短い時間に出来事が多く詰まっていると時間が長くなる感覚
    • 自動車事故、強盗などなど
    • YOUR TIMEでいう世界の変化率が大きいのでその分時間を長く見積もるせい
  • 孤独な人の方が顔写真から感情を推察する能力が高くなる
    • 孤独であるがゆえに他人に多く注意を払った結果
    • 人とのつながりに飢えている人ほど、他者に関する情報に目が留まる
直感的には孤独な人の方が苦手そうですが、実際は欠乏によって他人に対しての処理が第一優先になっており、感情に聡いのだと。

欠乏感はどうつくられるのか

  • 物理的な欠乏では欠乏感の説明はできない
    • 同じような収入、自由時間があろうと欠乏を感じる人と感じない人はいる
    • 実際、50年前から自由時間は変化していないにもかかわらずここ最近では時間の欠乏に悩む人が増えている
  • あらゆる欠乏は人間に同様のマインドセットをもたらす
  • 欠乏が悪いわけではない
    • 不足を知らせ集中力を上げて問題に対処できる
    • しかし、欠乏に占拠されてしまえばそれから逃れることは困難
    • 本当は足りている、もしくはどうしようもない欠乏に惑わされていると、抜け出せない迷路にずっと入れられているような状態になる
    • 欠乏を解消しようと頑張っても永遠に抜けることができない
  • 欠乏状態はあらゆる脳の処理能力を衰えさせる
    • 一つのことにリソースを割いているため他の事へ処理が向けられない
  • 欠乏の種類によっても影響度は異なる
    • 高いレベルの貧困はそれだけ悪影響も大きくなる
    • 多少忙しくなったくらいではそんなに大きな影響はない

このことは、なぜ貧しい人は貧しいままなのか、なぜ忙しい人は忙しいままなのか、なぜ孤独な人は孤独なままなのか、なぜダイエットはたいてい失敗するのかについて、まったく新しい説明を可能にする。

なかなか興味深い話です。
次回はもっと詳しく欠乏を掘り下げていきます!

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