前回まで。
今回は講釈の誤りなどについて。
人は講釈が好き
- 要約、単純化などなど物事の次元を落とすのを好む
- 原因をでっち上げずにはいられない
- 理論化したいという欲求に逆らうのは難しい
- 無意識に行われる
- 後講釈:後付けの理由をでっち上げる
- 12足のストッキングを選ばせて理由を聞く実験で、どれも同じストッキングなのに色や肌触りという理由を後付けした
ドーパミンはパターン化を促す
- ドーパミンがたくさんあるとパターン認識力が上がる
- パーキンソン病の治療に使われるLドーパを投与した結果、パターンに取りつかれるようになりギャンブルに依存するケースもある
- パターンは人の機能に根差しておりコントロールすることはできない
2種類の稀な事象
- 一つは講釈のついた黒い白鳥
- 盛んに議論され過大評価されている
- もう一つは誰も話さない黒い白鳥
- モデルに組み込めない
- 過小評価されている
- 可能性の低い事象について話しているときは、そいつに過剰反応する
- 飛行機事故の確率を問われると実際より高い確率だと思ってしまう
- その一方で保険を買うときは滅多に起こらない事象を無視する
- 大きな病気に自分はかからないだろう
- それよりも影響が小さく起こる確率が高そうなものを重視する
- 自分で確率を評価する場合は小さい確率を過小評価する
- 具体的な割合はわからないけどとても低いと言われると過小評価する
- 逆に何%と教えられると過大評価する
講釈の誤りという病を避けるには、物語よりも実験を、歴史よりも経験を、理論よりも臨床的知識を重んじることだ。もう一つの方法は予測を行ってその記録をずっとつけておくことだ。
世の中は非線形が溢れている
- 原因を積み重ねれば結果も順調に重なるわけではない
- 研究者など日の目を浴びるのは一瞬だが、そこまでの道のりは何もない
- 人間は大きな成果を一度によりも、細かく成果が出た方が嬉しい
- 利得よりも損に大きな影響を受ける
- 小さい苦しみが続くよりも、一度に受けた方がマシ
- ブラックスワンから利益を得ようとするにはとてもスタミナが必要
- 何も無いもしくは小さな損がある日々を送る必要がある
- 周囲からもバカにされるかもしれない
人間一人じゃ生きていけないなんて陳腐な言い草かもしれないが、実際、自分で思っているよりも私たちには他人が必要なのだ。特に尊厳や敬意という点で必要なのである。実際、周りから認められることなく、何か大きなことを成し遂げた人は歴史上ほとんどいない。
今回はここまで!
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