反証が可能かどうかが科学とそうでないものを区別する【ブラックスワン③】

前回まで。

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今回は帰納の問題などのお話し。

他の著作でも何度も出てくる話ですが、何度繰り返しても足りないくらいですね。


七面鳥問題(帰納の問題)

  • 帰納の問題は人生の問題の源である
    • どんなものであれ観察から得られた知識には罠がある
    • 特定の事例から一般的な結論を導き出せるか?
  • 過去安定しているからこれからも安定するかはわからない
  • 黒い白鳥は予測できず気まぐれにやってきて吹き飛ばす
  • 月並みの国では帰納の問題はない

著作で一貫して出てくる話ですね。

行きと帰りの誤り

  • ”黒い白鳥がいる可能性があると示す証拠がない”のと”黒い白鳥がいる可能性はないと示す証拠があるの”を混同する間違い
  • 証拠がないことはないことの証拠にはならない
    • ないという証拠がなければいけない

反応の領域固有性

  • 人間にとって知識や理論を別の状況や現実に移し替えることが難しい
  • 人間の思考や反応は文脈に依存している
  • 知識だけあってもそれをどう使ったらいいかがわかっていないと使えない
  • 具体的になるとわかることも、抽象化されるとわからなくなることがある

否定の実証主義

  • 主張を裏付ける事実をいくら集めても証拠になるとは限らない
    • うまくいっている例を集めてもダメ
    • 反例がないかを探さなければ
  • 反証が可能かどうかが科学とそうでないものを区別する

まとめ

  • 観察されたものはあくまで観察された範囲のことが分かるだけで、それをまだ観察していないことに適用できるかは分からない
  • 証拠がないことはないことの証拠にはならない、無いことを証明するにはないという証拠が必要である
  • 人間の知識は文脈に依存しており、知識として持っていても文脈に沿ってなければ使えない

次回は人間は説明を付けるのが大好きでそのせいで間違うというお話。

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