前回まで。
前回は自己が脳機能の一つに過ぎず、自己にこだわるほど苦しみが生まれるという話をしてきました。
今回は、自己はどうやって生まれるのかについてです。
脳は常に世界を予測している
- 人間の脳は見たものを処理するのではなく、予測を行いながら感覚期間の情報で予測を修正し現実をみる
- 人間の情報処理はそんなに早くないので、見たものを処理し続けることはできない
- 予測を行い違った部分のみを修正することで間に合わせている
- 脳がシミュレーションした世界を現実と感じている
- これは生まれた瞬間から今までの経験により予測が作られる
- 常識や偏見、好みなどなど個人の経験により異なる
- 正しくない予測がトラブルを起こすことはよくある
- そっけない態度を取られた時に、私は嫌われたのだという予測が作られると、そんなことないのに距離をとってしまうなど
まさにVRのような世界を生きているわけですねぇ。
マイナスな虚構が苦しみを生む
- 外部の情報によってマイナスな虚構が生まれると、ネガティブ感情が湧き出す
- 自己は複数の物語から形成されている
- 私は内向的なので人付き合いが苦手だなど
- この物語から予測が作られる
- 肉体からの内部情報も予測に使用される
- 健康に問題があったりすると、その情報を脳が何か問題があるに違いないと解釈し不安などを生み出す
- 謎の不安として知覚される
- 健全な精神は健全な肉体に宿る
心と体は繋がっていて、相互に影響を与えるのだと。
自己は多数の物語の上に成り立つ
- 対人関係が変わると自己も変わる
- 所属するコミュニティ、周りの人間、他者からの評価、期待に影響を受ける
- 会社での自分、家族内での自分、恋人の前での自分などで変化する
- 他者との物語の中で自己の輪郭は描かれる
- ありのままの自分などどこを探しても見つからない
まとめると
一旦ここまでの流れをまとめましょう。
- 人間はネガティビティバイアスを持つ
- 原始時代に進化した心の機能が現代では逆に機能不全を起こしている
- 苦しみは自分に不足があることを知らせる
- 人間は反芻思考によって苦しみを拗らせる
- 過去、未来を思い描く能力が仇となる
- 自己という機能が感情、過去や未来を思い描く際の基準となり苦しみを生む
- 自己を消せば苦しみもなくなる
- 実際にリラックスやフロー状態の時は消えている
- 自己は多数の脳の予測から形成される
- 脳は常にシミュレーションを行い、その中を僕たちは生きている
というわけで苦しみを消すには自己を消すしかないと。
果たしてそんなことできるのか!?
参考:無(最高の状態)
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