【無②】自己とはただのツールだった—使い方を変えれば苦しみは消える

前回まで。

自己が苦しみの源であるということを見ていきましょう。


自己注目が苦しみを生む

  • 自分は常に自分であるという感覚を自己という
  • 自己は感情と時間の基準点として働く
    • 私には価値がない
      • 自己ベースに感情は広がる
    • 私の未来は真っ暗だ
      • 自己を中心に過去、未来へ思考は広がる
  • 理想の自己のように自分について考える時間が長いほど不安や鬱になりやすい
  • ネガティビティバイアスにより自己について考えていると、ついネガティブな方向に向かってしまう

自己とは脳機能の一つに過ぎない

  • 最近の神経科学からのアイデア
    • 自己とは絶対的な感覚などではなく機能の集合体にすぎない
  • 仲間とサバイバルする環境で、自己と他者の区別を行い、社会的な行いをうまく行えるように進化してきた
    • 集団の中での自分の立ち位置の把握が自己の機能の源

自己が持つ機能

 

人生の記憶

過去のイベントを想起する

性格の要約

パーソナリティの要約

感情の把握

肉体の発するサインを感情として把握

事実の知識

自分に関する事実を理解

連続性の経験

過去と今の自分のつながりの感覚

実行と所有感

自分の行動と感情は意思によって決定できる

内面の精査

自分の内面の情報から新しい行動や思考に繋げる



自己は場面によって作られる

  • 自己は場面ごとに使われる機能にすぎず、唯一の自己というのは幻想
  • 特別な神経基盤もなくそれぞれ独立した神経ネットワークが働いている
  • 生きていくのに必要なツールの一つでしかない

自己は消える

  • 自己が消えることはある
  • 極度の集中状態の際など
    • 目の前の体験と一体化している感覚
  • リラックス状態の時など
    • ただ環境の中にいる感覚
  • 自己という機能が使われたり使われなかったりするのは自然なこと
  • 感情や思考のように自己も訓練でコントロールできる


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